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お知らせ

日本農業新聞掲載に掲載されました[JA―DX 成功の鍵]③

(3)アジャイルな組織に 時代激変、柔軟に対応

私は職員時代・役員時代を通して、改革を行うにあたってプロジェクトチームによる方式を積極的に用いてきました。現場感覚として、このやり方の成功のポイントは分かっているつもりです。これらの経験を生かしてデジタルトランスフォーメーション(DX)の導入に取り組んだのが、JAでの現役最後のプロジェクトでした。

 この経験から、私なりの成功のポイントを次の3点に絞って述べてみたいと思います。

①アジャイルな組織にしなければならない

②メンバーの人選が大変重要

③トップダウンで導入し、軌道に乗りかけたらボトムアップに切り替える

 今回は①について説明します。

 そもそも、アジャイルな組織とは何ぞや――。「アジャイル」という言葉は、一般の人にはあまりなじみのない言葉ですが、IT関係に詳しい人はよくご存じと思います。

 言葉そのものは「素早い」とか「機敏な」という意味です。そこから派生して、今では組織の在り方を示す言葉になっています。皆さんも感じられているとは思いますが、適宜いろいろな意見を吸収できる、硬直化しない柔軟な組織でないと、これほど変化が激しい時代に対応できません。「一度決めたら何が何でも決めた通りにやる」では行き詰ってしまいます。

 アジャイルの対義語が「ウォーターフォール」です。初めにがちっとした目標を立て、大金をかけて事業をやっていこうという考えです。大体これまでのJAは、この方式が多かったように思います。

 もちろん、これには良い面もありますが、今の時代はデメリットの方が大きいように思います。アジャイルな組織の方が職員の納得感が得やすく、トライ&エラーを繰り返しながら前に進んでいくDXには向いています。プロジェクトチームも、アジャイルなやり方で作っていく方がぴたりと合うと思います。「Z世代」と言われる若者たちの潜在能力を引き出すにも、こちらが向いているでしょう。

 多くのJAでIT人材の育成に悩んでいます。一朝一夕には人材育成はできませんが、アジャイルな組織づくりが重要であり、それはDXだけに限りません。役員のみなさんの仕事と言えるでしょう。

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